ペースメーカチェックで聞けた透析歴30年以上の方の福生のニュースへの共感と想い。自らが透析を嫌になったという話。

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ペースメーカチェックに行きました。

この前・・・いつだっけ?

先週だったか、先々週だったか。

よく晴れた日だった気がします。

外来にペースメーカチェックに行きました。

｢いい天気ですね｣みたいな声掛けをした気がします。

その方は

車椅子の方で、

痩せたおばあさまでした。

寝てもらうのも大変そうだったので

車椅子のまま、チェックを始めました。

止血バンドを手に巻いていたので

透析患者さんだな、と気づきました。

時間はありそう・・・

MRIがとれないペースメーカ

話を聞くと、透析が終わった後だということでした。

「透析お疲れ様でしたね。時間大丈夫ですか?」と聞くと、

今日は家族が送迎してくれるそうで、時間的には大丈夫とのことでした。

なので、日常生活で困ったことはないかな、と思い

「どうですか、普段なにか気になることはありますか?

　　体調悪い時とか、ありますか?」みたいな問いかけをしました。

そしたら、

「ん～そうね。苦しいってことはないけど。

　腰が痛いくらいかな。

　私ね、何回か足のところを骨折してるのよ。

　今、私に入ってるペースメーカーってMRIとれないじゃないですか。

　なんか、私がペースメーカ入れたときは

　丁度、MRIがとれるようになる前で・・・、

　今は、MRIとれるでしょ?

　私のは検査ができなくて、先生に診てもらって

　前よりは良くなったんだけど、MRIがとれるものだったら

　もっと良くなったかもしれないな、って思うんですよ。｣

「確かに、このペースメーカはMRIとれないですからね。

　まだ、MRIがとれるようになって、５年くらいですかね。

　中には、リードをそのまま使って

　MRIのとれるものに変えられるのもあるんですけど

　このメーカーのはできないですね。」

　なんだか、思ったよりも色々わかってる人そうだな、

　そんな印象でした。

　今のペースメーカはモードを変えればMRIがとれるものが

　主流なのですけれど

　一度埋め込むと、MRIがとれるものに

　　変えることはできないので、

　　いくらいいペースメーカが出ようと、

　　昔に埋め込んだ人は、MRIがとれなくて・・・

　　結構、困ります。

　　例外的に、ガイダントというメーカのものの中には

　　MRI対応に変えられるものもあるのですけど・・・

実は透析歴30年以上・・・ベテランじゃん。

　「透析後のペースメーカチェックって、大変ですよね。

　　ところで・・・

　　どのくらい透析やってるんですか?」とか聞いてみました。

「30年ちょっと、やってます。私より長い人もここにいますけど・・・

　40年やってる人もいますよね。」

　「そんなに、やってるんですね。すごいですね～。

　　今まで辛かったんじゃないですか。

　　30年以上透析患者さんで生きられる人は

　　本当にひと握り・・・大変でしたね・・・。辛かったですね。」

福生の透析中止のニュースに対する共感と想い。

自らの透析拒否・・・。

「そうですね・・・大変でしたよ～。

　福生のニュースあったじゃないですか。

　あの気持ちわかりますよ。

　透析やめて、もう生きるのはいいですよって、気持ち。

　ここの先生に随分迷惑かけました。

　もう、透析なんてやりたくないって・・・

　私もなりました。

　ニュースで、病院の対応がとか言いますけど、

　私達患者には、そういう選択肢も当然あるんだと思いますよ。

　私なんか、透析もそうだしペースメーカも入ってるし

　本当に嫌で嫌で・・・。

　先生に透析をやめるのを止められて、こうして生きてますけど・・・

　今では、生きてて良かったんだなって、思いますよ。

　子供も、透析をやりながら家事もして必死で育てて

　育て上げることができました。

　孫もできて・・・今では良かったと思ってます。｣

「そうですか。良かったと思えることが

　一番、私もよかったと思います。

　中には嫌になって、受け入れられない人もいるのに・・・

　大変だったでしょうけど、透析拒否を乗り越えて

　たどり着いた境地なんでしょうね。」とか、

　ちょっと、それらしい事を言っておきました。

　私は、あまりにたくさん語っていただいたので

　ただ、ただ聞き入るばかりでした。

　福生のニュースに関しても

　貴重な意見や想いを語っていただいて、

　さすがに、透析患者さんもベテランになると違うな、

　と思いました。

　「すごいですね。色々、勉強もされてるんでしょうね。」

　と言いましたら、

　「昔はこの病院へいろんな教授やら偉い先生を呼んで

　　講習会とか勉強会とか、いろいろやっていたので、

　　そういうのには参加してました。

　　あとは本とかを買って勉強はしました。」

　・・・と返ってきました。

語るスイッチ　押したみたい。

　その他にも、この病院の先生の小学生の頃の話とか

　この病院が、小さかった頃の話とか・・・

　この方の語ること語ること・・・

　ちょっと、この記事自体が話をところどころ端折ってあるので

　本当は、もっと色々話してくださいました。

　私は、この方の語るスイッチを

　押してしまったみたいで

　ペースメーカチェックが終わったあとも

　ずっと、いろいろ昔のことを話してくださいました。

　看護師さんは、「聞き上手だから、引き出してしまいましたね」

　とか言ってましたが、

　予想以上に話す人でした。

　こういうところが生きる力なのかもしれません。

でも、貴重な意見、お話が聞けて有意義な時間だったと思います。