エンドトキシン測定の試薬はカブトガニの血液が原料なんですって。なんだか、可哀想です。
昨日
人工透析の監視装置から
透析液をとって
エンドトキシン測定を行いました。
なので、今日の午前中に測定結果をとりに
クリニックに行ってきました。
そもそも、本院には
エンドトキシン測定機がないんです。
唯一、本院の隣にあるクリニックにあります。
唯一、というのは他のグループの施設にもないということです。
多分ないと思います。
なぜなら、わざわざクリニックまで
検体を送ってくるくらいですから。
なんだか、ケチです。
そして、
今回の検査結果も、
陰性でした。
エンドトキシンは出なかったってことです。
ところで、
このエンドトキシン検査ですが
カブトガニの血液を使っています。
原料はカブトガニなのです。
無数の命を救う、神秘の青い血液
姿を変えずに2億年以上も生き続けていることから、‘生きる化石’ともいわれる生物、カブトガニ。カブトガニの血液は、淡い青である。人間の血液ならヘモグロビンに含まれる鉄成分により赤く見えるが、カブトガニの血液には銅成分が含まれているためだ。その青い血液が、実は現代医療にとって不可欠な存在であることをご存じだろうか。その理由は、カブトガニ血液中にあるLAL(Limulus amebocyte lysate)という物質にある。
その青い血液が、実は現代医療にとって不可欠な存在であることをご存じだろうか。その理由は、カブトガニ血液中にあるLAL(Limulus amebocyte lysate)という物質にある。
LALから抽出したLAL試薬を使えば、製造中の薬品やワクチン、食品等に有害な毒素が含まれているかどうかを、スピーディーに、確実に調べることができる。例えば大腸菌にも含まれるエンドトキシンという毒素は、人間の血液中に少しでも混じるとショック死を引き起こすこともあるほど危険な物質だが、LAL試薬はこのエンドトキシンに反応し、ゲル状に凝固して毒素を閉じ込め、無害化する作用がある。このように毒素の有無を検証し、薬品や食品の安全性と信頼性を確保するのにカブトガニの青い血液が役立っているのだ。
この人類にとってありがたい作用が発見された1950年代から研究が進み、1970年代にはLAL試験が行われるようになったが、その前に使用されていたのはウサギの生体だった。ウサギが毒素を摂取すると発熱するのを利用した検査だったため、結果が出るのに48時間もかかっていた上、毒素が微量だった場合の判定が困難であった。LAL試験は1時間以内に微量な毒素も検出できる。かくしてカブトガニの血液は人類の医学にとって不可欠な存在となった。
生息数減少への懸念をもちながら
このような‘恵み’を享受すべく、メキシコ湾沿岸や大西洋沿岸に生息するアメリカカブトガニから血液を採取している。カブトガニを捕獲し、生きたまま体を洗浄してから、体を折りたたんで台に固定する。次にステンレス鋼の針を使って青い血液を採取する。採血量は、カブトガニの体内血液の30%にあたる。その際、3%程度の個体は死んでしまうが、その他は捕獲した場所から少し離れた海へリリースされる。何度も同じ個体を捕獲することを防ぐためだ。
それでも、当然カブトガニへのダメージは大きい。海に戻ってからも動きが鈍くなるなどして、10~20%のカブトガニが命を落とすと言われている。また、メスの個体への負荷が特に大きいのか、繁殖数への影響もあることが明らかになっている。
カブトガニ、その青い血液という‘恵み’|NECネクサソリューションズ
より引用。
カブトガニの血液を使用しているなんてことは、
エンドトキシン測定を行っている人でも
知らない人は全く知りません。
検査するスピッツの中には
特に青い血液が見えるわけではなく
ただ、ただ白い粉が見えるだけです。
スピッツの中に
透析液を入れて
機械にセットすれば
結果は2時間くらいで出てしまいます。
アメリカでは
このカブトガニの血液から
エンドトキシン検査薬を作成するために
年間50万匹捕獲されて
血液を抜き取られるらしいです。
そのうちの、10~20%が死んでしまうということですので
5万~10万匹は命が失われているのですね。
まさに、透析液の清浄化は
カブトガニの血液の上に成り立っています。
うさぎの血液を使っていた
というのもショッキングですけど
カブトガニも可哀想な気がします。
臨床工学室で
エンドトキシン検査を実際におこなっているのは
私だけです。
そして、臨床工学技士で
機械の操作方法を知っているのも
私だけです。
透析室の看護師さんも知っていますし
クリニックの透析室の看護師さんも知っていますが
極端に、臨床工学技士の透析業務は
私だけに限局的に存在しているので
私がいなくなったら
透析業務が臨床工学技士の業務から
消えて終わりでしょうね。