今日はインフルエンザのための隔離透析です(続:実践編)
病棟透析って
結構、始まるのに時間がかかります。
いつもは透析患者さんが
透析室にきて
体重を測って
横になれば
透析を始められるのに。
今回は
動くのは機械側。
しかも、病棟側で清拭などの用事を
済ませたあとじゃないと邪魔になっちゃう。
先生にどんなダイアライザーを使って
どんな透析液を使って
どんな抗凝固剤を使うか聞かなくちゃ。
ごはんが食べられない人は
普段より性能が低いダイアライザーじゃないとね。
体が小さくて筋肉が少なそうなら
普通のキンダリーよりも
カーボスターがいいよね。
カーボスターは
酢酸が入ってない。
酢酸は体の中にない物質
筋肉や肝臓で代謝されて
重炭酸イオンになる。
透析液のB液は炭酸水素ナトリウムでしょ?
炭酸水素ナトリウム=重炭酸イオン。
だから、行き着く先は同じなんだけども。
酢酸は代謝が必要なの。
筋肉が少ない人は
それが難しくて・・・
血圧が下がる要因になる。
頭痛が起こったりもする。
じゃあなんで
そんなの入れるのさってなると
pH調整って答える。
pHって酸性とかアルカリ性の値でしょ?
アルカリ性の方が
カルシウムとかマグネシウムが
個体として現れ易くなっちゃうんです。
あと、酸性の方が
菌が繁殖しにくいです。
配管を痛めやすいのは
実はアルカリ性です。
カーボスターに耐えられない
機械もあります。
患者さんのこと考えると
身体に悪いもの入れたくないじゃない?
それで
酢酸の代わりに
クエン酸を入れた
カーボスターが誕生したってこと
キレート状態だと
個体になりにくいんだよ
前にキレートについて
触れたっけね。
クエン酸が
Caとかそういうものと結びついて
細胞に吸収されやすくなるってもの。
クエン酸が挟みこむイメージ。
キレート自体が
語源なの。
今回は
カーボスター指示でした。
機械を準備する前に(大事です)
病棟に行って
きちんと水が出るか検査してから
個人用のRO装置につなぎます。
普段使ってないと
サビとか
汚い水が出るの。
RO装置の膜が傷んじゃうでしょ。
今回はOKでした。
個人用のRO装置を
水道水の配管につなげて
排液も設置して・・・・。
きれいな水じゃないと透析できないもんね。
むかーしむかーしは
(生まれる前かな、生まれてるかな)
水道水でやってたらしいですけどね。
雑菌がいたり、
硬度(ミネラル分の多さ)が高かったり
いいことがないから(頭痛とか低血圧とか、気持ち悪くなったり)
きれいにして使うことにしたんだってさ。
個人用RO装置から
個人用の透析装置に配管をつないで
きれいな水=RO水です。
ミネラル分も入ってない、何も入ってない水。
ROは、Reverse Osmosisの略で、逆浸透現象・・・
まあ、そういう原理できれいにした水ってことです。
透析装置にA液とB液のタンクをつなげます。
今、透析装置には
水とA液、B液がつながれてる状態。
それで、透析の装置からも
廃液する管が出てます。
A液は体の中のミネラル分と酢酸が入っています。
(ナトリウム、カリウム、
カルシウム、マグネシウム、クロール、クエン酸か酢酸、ブドウ糖)
B液には炭酸水素ナトリウム。
透析患者さんは、
体が酸性に傾いちゃうので、
B液はそれをアルカリ性側に戻すために必要なんです。
A液とB液をいきなり混ぜると
炭酸カルシウムとか
色んな個体が出来ちゃうので
A液をRO水で薄めてから
B液が混ざるようにしてあるか、
その逆。(どっちかを薄めてから、どっちかを入れる感じ)
どっちかです。
A液:B液:水の割合は
1:1.26:32.64
っていう割合になってます。
つまり、だいたい30倍くらいに
薄めて使うってことですね。
この割合はドイツから伝わった感じなんですが
アメリカはまた、微妙に違うんです。
ドイツ側で私は学校で習いましたよ。
透析技術認定士の試験も
1:1.26:32.64で出ます。
機械の中で、まぜまぜして
ダイアライザーの周りを
透析液が走り回る。
走り回ると血液と膜を通して
物質のやり取りがあって
キレイになる・・・簡単でしょ。
機械の準備はそんな感じ。
設置してつなげるだけ。
でも、どんなに広い病室でも
透析の機械が入ると
狭くなる。
そうそう、始める前に
患者さんの体重をはからないと。
どんな患者さんでもそうですけど、
私、針刺すの嫌いです。
嫌いだけど
刺さないとね・・・。
シャントの情報を確認してから
刺すんだけども、
見事に何も書いてないよね。
あそこの施設は
グループだからって手を抜いて・・・
ま、普通に刺せましたけどね。
透析中・・・
少しだけお話をしました。
透析中、寝てしまうのですって
4時間って
夜寝なくても大丈夫レベルの
睡眠時間って言ってました。
やっぱ、昼夜逆転しちゃいますよね。
老人なんて
一発ですよね。
睡眠浅いんですから。
一晩中起きてて
昼間寝るようになっちゃいますよね。
活動量が
ただでさえ普通の人の半分なのに
更に
半分の半分のハンブンのはんぶんのハン・・・・
きっと、ほぼゼロですよね。
透析中は
やっぱ、寝ちゃダメですよね。
スマホいじくっててもいいから、
起きててください。
あ、そうそう。
私がいつも病棟透析をするときは
食事の心配をします。
始めるの遅めになるから
お昼にかぶるでしょ。
透析終わってからだと
お昼遅くって
夕飯が食べられなくなるし
リズムが狂うじゃない?
なるべく
できることならば
透析中に食べてもらいたい。
最悪のことを想定して
寝ながら食べられるような
そんな食事にしてまでも。
カリウムとかリンとか
透析中に上がってきてくれれば
コントロールがしやすいでしょ。
食後2時間で血糖上がるっていうくらいだから
食べたら
透析中に上がってくる電解質の値。
食後に血液がキレイになれば
1回分の食事の上昇分
お得でしょ?
生活が楽になるでしょ。
透析は順調に終わりましたよ。
ご飯のあと寝てましたけど。
インフルエンザ解熱後ですからね
しょうがないかな。
透析終わったら
普通に返血して
止血して
体重計って
看護師さんに申し送りして
おしまいです。
随分長くなっちゃった・・・。
駄文 申し訳ありませんでした。
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